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平野由紀子税理士事務所     本文へジャンプ
 所得税
1-2 不動産所得に係る初期費用と資産計上について
15.住民対策費
    建築当初から支出が予定されているものは、たとえその支出が建築後に行われるものであっても、建物の取得費に算出します。
16.借入金利子
    アパート建築のための借入金利子は、業務の開始前か後かで次のように扱われます。
  (1)業務開始前
建築期間中の借入金利子は"建物の取得費"に算入します。
  (注)ここでいう"業務"とは、アパートが完成し、たとえ入居者がいない場合でも、募集広告や仲介依頼を業者に依頼するなど、賃貸する意思表示が客観的に確認できる場合を言います。
  ただし、すでにアパートを1棟所有してアパート経営を営んでいるときに、さらに1 棟建築するために借入れた場合の建築期間の利子は、"必要経費"に算入できます。
  (2)業務開始後 必要経費に算入します。
17.登記費用、不動産取得税
    必要経費に算入します。なお、登録免許税には、表示登記、保存登記、抵当権設定登記にかかるものがありますが、いずれも必要経費に算入します。
18.地鎮祭、起工式、竣工式
    地鎮祭と起工式にかかる費用は建物の取得費に算入しなければなりませんが、竣工式費用は建物の取得費に算入しても、必要経費に算入しても、いずれでも構いません。
19.借入金保証料
    資金の借入にさいして支払う保証料は、期間満了前に繰上返済した場合に、保証料の一部が返還されるかどうかにより、扱いが異なります。 特に、信用保証協会の保証料は返還されることが多いようです。 いずれにしろ、保証料を一括して必要経費に算入することはできません。前払費用または繰延資産として計上し、借入金期間内に費用配分して除々に費用化します。 ただし、支払総額が20万円未満のときは全額を必要経費に算入することができます。
  (1)繰上返済した場合に保証料に一部が返還される保証契約(主として信用保証協会)のいずれかによります。
  (1)前払費用として処理する方法 前年に繰上返済したとした場合に返還を受ける保証料の額と、本年に繰上返済したとした場合に返還を受ける保証料との差額を本年の必要経費に算入する。 返還を受ける保証料=保証料×(未経過期間÷当初保証期間)2
  (2)繰延資産として処理する方法
保証期間に応じて均等配分する。
費用配分額=保証料×[12÷借入期間(月数)]
ただし、借入年度の分子は、借入月から12月までの月数
  ※(1)の計算は複雑なため、通常はAにより計算します。
なお、繰上返済のさいに返還を受けた保証料は、上記@Aの場合は未償却残高(当初の保証料支払額から必要経費に算入した額を控除した残額)との差額を必要経費に加減しなければなりませんので、ご注意下さい。
  (2)繰上返済しても保証料の一部が返済されない保証規約 上記Aにより均等配分します。 なお、繰上返済をした場合は、未償却残高全額を必要経費に算入します。
20.生命保険料
    アパートの建築資金を借入れる場合に、借主を被保険者、銀行を受取人とする生命保険契約を結ぶことがあります。この場合の掛金は実質的に保証料と同じ性質のもので、万一、返済中に建築主(借主)が死亡したときは、残債務相当額の保険金が債権者(金融機関などの貸主)に支払われます。 つまり、次の要件を満たす生命保険契約の掛け金は必要経費に算入できます。
  (1)融資条件として生命保険契約が締結されたこと。
  (2)満期返戻金のある損害保険料
  (1)積立保険料相当額は資産に計上します。つまり必要経費に算入できません。保険期間満了時に受取った満期返戻金は、返戻金に対応する支払済みの保険料との差額を、一時所得として申告しなければなりません。
(2)その他の部分(掛捨ての部分)は、上記に準じて必要経費に算入します。 なお、一括払いの場合に掛捨て部分の総額が20万円未満のときは全額を必要経費に算入することができます。
21.損害保険料
    アパートに掛けた損害保険料(火災保険)は、その種類により次のように処理します。
  (1)通常の掛捨ての損害保険料 支払った日の属する年の必要経費に算入します。また、2年以上の保険期間に対応する保険料を支払ったときは、年数按分した均等配分額を必要経費に算入します。
  建物の構造内に組み込まれない冷暖房機器は、建物とは独立した固定資産として工具器具備品に区分され、法定耐用年数が6年です。
工具器具備品の償却方法は、定額法、定率法いずれも可能です。
22.アパートを新築するために地主に支払う建て替え承諾料
    建物所有を目的とした借地の上にアパートを新築する場合には、通常、建替承諾料を地主から要求されます。しかし、この建替承諾料の支払額は下記により計算した額だけが必要経費に加算されることになっています。(計算例省略) この扱いは借地権の存続期間が満了したため、その期間を更新する場合に支払われる更新料にも適用されます。
  必要計算額=承諾料支払前の借地権価額×建替承諾料÷承諾料支払時の借地権の時価

以上のように列挙してみると、初期費用がいかに多いかわかります。 注意すべき点は、アパート以外の非事業用部分があるときは(例えば、1棟の建物がアパートと自宅から成るときのように)初期費用を床面積比で分ける必要があることです。

  なお、本稿の「アパート経営と必要経費」は2回で完了する予定でしたが、"初期費用"だけしか解説できませんでした。したがって、"臨時支出"については早い機会に解説を試みたいと考えています。


出典:アパート経営ゼミナール(セキスイハイム神奈川梶j

    解説