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物納関係通達

41条《物納の要件》関係

(物納の許可限度額の計算)

4 1−1 法施行令第17条に規定する物納の許可限度額の算出方法を算式で示せば、次のとおりである。(平4課資2−158・徴管5−6、平7課資2−119・徴管5−5、平18徴管5-14改正)
A−{ ((B−C−D)×E+F)+(G−H) }
(注) 算式中の符号は次のとおりである。
A は、38−2により計算した額
Bは、前年の申告所得税の確定申告書等に係る収支内訳書等から求めた1年間の事業に係る収入金額(給与所得者の場合は前年の給与等に係る支給金額)から臨時的な収入に係る金額を控除した額。ただし、最近の事業の実績に変動がある場合は、その実績を踏まえて算出した額を加味して差し支えないものとする。
Cは、38−2のEの額に12を乗じた額
Dは、事業の継続のために必要な運転資金の額。事業の継続のために必要な運転資金の額とは、前年の申告所得税の確定申告等に係る収支内訳書等から求めた1年間の事業に係る経費の中から、臨時的な支出項目及び減価償却費を除いた額を当該金額とする。ただし、最近の事業の実績に変動がある場合には、その実績を踏まえて算出した額を加味して差し支えないものとする。
Eは、当該物納申請税額を延納申請税額であるとみなした場合に、法第38条第1項の規定により延納が認められる最長年数とする。
Fは、38−2のEの額に3を乗じた額に38−2のFの額を加えた額
Gは、臨時的収入の額。
なお、臨時的収入の額とは、おおむね1年以内に発生が見込まれる臨時的な金銭収入(貸付金の返還、退職金の給付の確定等)をいうものとする。
Hは、臨時的支出の額。
なお、臨時的支出の額とは、おおむね1年以内に発生が見込まれる臨時的な支出(事業用資産の購入等)をいうものとする。

(贈与税等についての物納規定の不適用)

4 1−2 法第41条の物納の規定は、贈与税及び連帯納付の責に任ずる者のその責に任ずべき金額については適用がないのであるから留意する。
 また、期限後申告又は修正申告若しくは更正又は決定により納付すべき相続税額に併せて納付すべき延滞税又は加算税についても適用がないのであるから留意する。(平7課資2−119・徴管5−5改正)

(やむを得ない事情があると認めるとき)

4 1−3 法第41条第1項において、「物納財産の性質、形状その他の特徴により当該政令で定める額を超える価額の物納財産を収納することについて、税務署長においてやむを得ない事情があると認めるとき」とは、次のような場合をいう。(平18徴管5-14追加)
1 当該財産が土地の場合で、当該政令で定める額に相当する価額となるように分割しようとするときには、分割後に物納に充てようとする不動産(以下「分割不動産」という。)又は分割不動産以外の不動産について、例えば、分筆することにより、その地域における宅地としての一般的な広さを有しなくなるなど、通常の用途に供することができない状況が生じることとなると認められる場合
2 建物、船舶、動産などのように、分割することが困難な財産である場合
3 法令等の規定により一定の数量又は面積以下に分割することが制限されている場合


(政令で定める額を超えて物納を許可する場合)

4 1−4 法第41条第1項の規定により、政令で定める額を超える価額の物納財産による物納を許可する場合において、当該財産の収納価額と当該許可に係る相続税額の差額は、金銭をもって還付するものとする。(平18徴管5-14追加)


(法第19条の規定の適用がある贈与財産による物納)

4 1−5 法第41条第2項に規定する「課税価格計算の基礎となった財産」には、相続又は遺贈によって財産を取得した者が当該相続に係る被相続人から贈与により取得した財産で、その価額が法第19条の規定により当該相続に係る相続税の課税価格に加算されたものを含むのであるから留意する。(平18徴管5-14改正)

(法第38条の規定に関する取扱いの準用)

4 1−6 法第41条第2項に規定する「不動産」については、38−4の取扱いに準ずるものとする。(昭57直資2−177追加、平4課資2−158・徴管5−6、平18徴管5-14改正)

(「当該財産により取得した財産」の意義)

4 1−7 法第41条第2項に規定する「当該財産により取得した財産」とは、当該財産を処分して取得した財産そのものをいうのであるが、次に掲げる財産は、これに該当するものとして取り扱うのであるから留意する。ただし、(3)に掲げる株式又は出資証券で収納時に旧株式(旧出資証券)がある場合においては、当該旧株式(旧出資証券)を物納税額に充ててもなお不足税額があるときに限るものとする。(昭57直資2−177、平7課資2−119・徴管5−5、平18徴管5-14改正)
(1)  課税価格計算の基礎となった株式又は出資証券の発行法人が合併した場合において、当該合併によって取得した株式又は出資証券
(2)  課税価格計算の基礎となった株式又は出資証券がある場合において、当該株式の消却、資本の減少又は出資の減少によって取得した株式又は出資証券
(3)  課税価格計算の基礎となった株式又は出資証券の発行法人が増資を行った場合において、当該増資によって取得した株式又は出資証券


(通常行われる他の土地との境界確認方法)

4 1−8 法施行規則第21条第3項第1号に規定する「当該土地の取引において通常行われる他の土地との境界の確認方法により境界を認識できるもの」とは、例えば、山林などの境界確認のように、目印となる樹木や山の尾根などをもって土地の境界とする合意が当事者間で行われることが一般的な例とされているものなどをいう。(平18徴管5-14追加)

(共有不動産の物納)

4 1−9 相続又は遺贈により取得した財産が不動産の共有持分である場合において、当該財産を取得した納税義務者が当該持分に応じて分割した後の不動産を物納に充てようとするときには、当該不動産は法第41条第2項に規定する「課税価格計算の基礎となった財産(当該財産により取得した財産を含む。)」に該当し、当該不動産による物納を許可しても差し支えないのであるから留意する。 なお、被相続人と不動産を共有していた者が当該被相続人の持分を相続又は遺贈により取得した場合において、当該持分に応じて特定した不動産を物納に充てようとするときについても、これと同様に取り扱うこととして差し支えないのであるから留意する。(平7課資2−119 ・徴管5−5追加、平18徴管5-14改正)


(その他これに類するものの意義)

4 1−10 法施行規則第21条第8項第2号に規定する「その他これに類するもの」とは、単に外見上等から判断されるものではなく、法律の規定に基づき、公の秩序等を害するおそれのある団体等であることが指定されているものをいうのであるから留意する。(平18徴管5-14追加)


(特別の法律により法人の発行する債券及び出資証券)

4 1−11 法第41条第2項に規定する「特別の法律により法人の発行する債券」、「特別の法律により法人の発行する出資証券」とは、例えば、次に掲げるような債券及び出資証券をいうのであるから留意する。(平7課資2−119・徴管5−5改正、平16徴管5−13・課資2−10、平18徴管5-14改正)
(1)  債券
 商工債又は農林債又は長期信用銀行債等の金融債
 放送債券
 都市基盤整備債券等の政府機関債
(2)  出資証券
  日本銀行出資証券

(相続人が居住等の用に供している土地(底地)の物納)

4 1−12 法施行令第19条第4号のかっこ書の規定は、相続人が居住の用又は事業の用に供している建物とその敷地が併せて物納申請された場合をいうものであり、その土地(底地)のみが物納申請された場合には適用がなく、当該土地(底地)は劣後財産となるのであるから留意する。(平18徴管5-14追加)

(「特別の事情」の意義)

4 1−13 法第41条第4項及び同条第5項に規定する「特別の事情」とは、例えば、その財産を物納すれば居住し、又は営業を継続して通常の生活を維持するのに支障を生ずるような場合をいうのであるから留意する。(平16徴管5−13・課資2−10、平18徴管5-14改正)

(「適当な価額のものがない場合」の意義)

4 1−14 法第41条第4項及び同条第5項に規定する「適当な価額のものがない場合」とは、同項に規定する物納財産の順位により物納に充てることができる財産を納付するときは、当該財産の収納価額が法施行令第17条で定める額を超えるに至るような場合をいうものとする。
 ただし、当該財産の収納価額が当該政令で定める額を超える場合で、次に掲げるものであるときは、「適当な価額のものがない場合」に該当しないのであるから留意する。(平16徴管5−13・課資2−10、平18徴管5-14改正)
1  法第41条第1項後段の規定が適用される場合
2  当該財産が土地の場合で、当該政令で定める額に相当する価額となるように分割しても、分割不動産又は分割不動産以外の不動産について、いずれもその地域における宅地としての一般的な広さが確保されるなど、通常の用途に供することができると認められるような場合


(物納劣後財産と物納に充てることができる順位が後順位である財産がある場合の取扱い)

4 1−15 法第41条第4項に規定する物納劣後財産と同条第5項に規定する物納に充てることができる順位が後順位の財産がある場合には、まず、同条第5項に掲げる順位に従って物納に充てることのできる財産を区分し、その先順位財産の中に物納劣後財産として物納に充てることができる財産がない場合には、同条第5項による次順位の財産を物納に充てることができるのであるから留意する。
(参考)物納に充てることのできる順位は、次の1から5の順となる。(平16徴管5−13・課資2−10、平18徴管5-14改正)
第1順位  1国債・地方債・不動産・船舶
   2うち劣後財産
第2順位  3株式等の有価証券
   4うち劣後財産
第3順位  5動産
(注) 特定登録美術品は上記順位にかかわらず物納に充てることができるのであるから留意する。


42条《物納の手続及び許可》関係

(物納の申請期限)

4 2−1 物納申請書は、物納を求めようとする相続税の納期限までに又は納付すべき日に提出しなければならないのであるが、この場合の提出期限は具体的には次に掲げる期限又は日となるのであるから留意する。(昭46直審(資)6、昭57直資2−177、平7課資2−119・徴管5−5、平18徴管5-14改正)
(1)  期限内申告書又は法第31条第2項の規定による修正申告書を提出した場合に法第33条の規定により納付する相続税額  これらの申告書の提出期限
(2)  期限後申告書又は修正申告書(法第31条第2項の規定による修正申告書を除く。)を提出した場合に通則法第35条第2項第1号の規定により納付する相続税額  これらの申告書の提出の日
(3)  更正又は決定を行った場合に通則法第35条第2項第2号の規定により納付する相続税額  その更正通知書又は決定通知書が発せられた日の翌日から起算して1月を経過する日

(通常必要とされない場合)

4 2−2 法施行規則第22条第2項第1号に規定する「当該土地の取引において通常必要とされない場合」とは、例えば、山林などのように土地の全体を測量することが困難であり、その測量に多大な費用を要することから、通常の取引に当たっては地積測量図を作成しないことが一般的な例とされているものなどをいう。(平18徴管5-14追加)

(物納の許可)

4 2−3 物納の許可は、その申請に係る税額のうち物納を許可する時において収納未済となっている税額の範囲内において許可するものとする。

(管理官庁との協議)

4 2−4 税務署長は、物納申請財産が不動産、船舶又は有価証券である場合は、法第42条第2項の調査に当たり、当該物納申請財産の管理又は処分に関する意見を物納財産の管理官庁に求めるものとする。
 この場合において、管理官庁による物納申請財産の調査の結果、管理又は処分に関する意見の回答があったときは、当該回答に則して法第42条第2項の規定により物納の許可をし、又は当該申請の却下をするものとする。 (平4課資2−158・徴管5−6追加、平18徴管5-14改正)
(注)  物納財産の管理官庁とは、財務(支)局、沖縄総合事務局、財務事務所、財務(支)局出張所、沖縄総合事務局財務出張所及び財務事務所出張所をいう。


(「物納財産ごと」の意義)

4 2−5 法第42条第2項に規定する「物納財産ごと」とは、物納の許可をする物納財産の収納価額ごとに又は物納申請の却下をする財産の価額ごとにそれぞれ区分して、物納の許可をし、又は当該申請の却下をすることをいうのであるから留意する。 (平18徴管5-14追加)

(物納手続関係書類提出期限延長届出書等の提出時期)

4 2−6 物納手続関係書類を法第42条第5項の物納手続関係書類提出期限までに提出することができないため、同条第6項により読み替えて同条第4項を適用する場合の物納手続関係書類提出期限延長届出書は、同条第5項の物納手続関係書類提出期限までに提出するのであるから留意する。(平18徴管5-14追加)
2  物納手続関係書類を法第42条第12項の物納手続関係書類補完期限までに提出することができないため、同条第13項により読み替えて同条第11項を適用する場合の物納手続関係書類補完期限延長届出書は、同条第12項の物納手続関係書類補完期限までに提出するのであるから留意する。(平18徴管5-14追加)
3  法第42条第19項の措置(当該収納関係措置期限延長届出書に係るものに限る。)を同条第23項の収納関係措置期限までに提出することができないため、同条第24項により読み替えて同条第22項を適用する場合の収納関係措置期限延長届出書は、同条第23項の収納関係措置期限までに提出するのであるから留意する。(平18徴管5-14追加)

(延長された提出期限までに物納手続関係書類の提出等がない場合)

4 2−7 法第42条第5項(同条第6項により読み替えて適用する場合を含む。)の規定により延長された物納手続関係書類の提出期限までに、当該申請者が物納手続関係書類の提出をしなかったときは、法第42条第2項の規定により物納の申請を却下するのであるから留意する。 (平18徴管5-14追加)

(延長された補完期限までに物納手続関係書類の訂正等がない場合)

4 2−8 法第42条第12項(同条第13項により読み替えて適用する場合を含む。)の規定により延長された物納手続関係書類の補完期限までに、当該申請者が物納手続関係書類の訂正又は提出をしなかったときは、法第42条第2項の規定により物納の申請を却下するのであるから留意する。 (平18徴管5-14追加)

(「調査に3月を超える期間を要すると認めるとき」の意義)

4 2−9 法第42条第16項に規定する「調査に三月を超える期間を要すると認めるとき」とは、次のようなものをいうのであるから留意する。(平18徴管5-14追加)
1 物納財産が多数ある場合
2 物納財産が遠方に所在し、確認調査等に時間を要すると認められる場合
3 財産の性質、形状その他の特徴により管理処分不適格財産に該当するかどうかの審査や収納価額の算定等に相当の期間を要すると認められる場合

(その他これに準ずる事由)

4 2−10 法第42条第17項に規定される「その他これに準ずる事由」とは、例えば、風水害等の自然災害により、物納財産の確認調査等が事実上不能な期間が継続するなど、特に調査に期間を要すると認められる場合をいうのであるから留意する。(平18徴管5-14追加)

(収納するために必要な措置)

4 2−11 法第42条第19項に規定する「収納するために必要な措置」とは、次のようなものをいうのであるから留意する。(平18徴管5-14追加)
1 現状を維持するために必要な土留め、崩落防止措置
2 越境樹木の枝打ち、倒木等の撤去
3 地下埋設物、土壌汚染物質等の除去
4 ゴミその他の投棄物の撤去

(「一年を越えない範囲内」の始期)

4 2−12 法第42条第19項に規定する「一年を越えない範囲内」で期限を定める場合には、法第42条第20項の規定に基づく通知を発した日の翌日から起算するのであるから留意する。(平18徴管5-14追加)

(延長された措置期限までに収納関係の措置がとられない場合)

4 2−13 法第42条第23項(同条第24項により読み替えて適用する場合を含む。)の規定により延長された収納関係措置期限までに、当該申請者が同条第19項の措置をとらなかった場合は、法第42条第2項の規定により物納の申請を却下するのであるから留意する。(平18徴管5-14追加)

(許可の条件)

4 2−14 法第42条第27項に規定する「物納の許可をする場合において、物納財産の性質その他の事情に照らし必要があると認めるとき」に付すことができる許可の条件とは、次のようなものをいう。(平18徴管5-14追加)
1 物納許可後、物納財産の収納のために必要な所有権移転手続等を要する場合
・・・所有権移転手続等を行うこと(有価証券の名義変更及び引渡し並びに動産の引渡し等)
2 通常の確認調査等では土壌汚染等の隠れた瑕疵がないことが確認できない場合
・・・瑕疵が判明した場合には当該瑕疵を除去等すること(土壌汚染の除去、地下埋設物の撤去や国が除去等を行った場合の当該除去費用の支払など)
3 取引相場のない株式の物納を許可する場合
・・・物納財産の収納後に一般競争入札により当該株式を売却する場合に、売却に必要な有価証券届出書等を提出すること

(物納の許可があったものとみなされた場合の収納手続等)

4 2−15 法第42条第28項の規定により、物納の許可があったものとみなされた場合には、当該許可に係る物納財産の収納に必要な所有権移転等に関する手続を行うよう申請者に求め、みなし許可後速やかに収納手続を了するのであるから留意する。
 なお、当該収納に必要な手続が履行されず、物納財産の収納ができない場合には、当該物納許可を取り消すのであるから留意する。 (平18徴管5-14追加)

(徴収を猶予する期間)

4 2−16 第42条第29項において準用する法第40条第1項の規定により徴収を猶予する期間は、物納申請に係る相続税額の法第33条又は通則法第35条第2項に規定する納期限の翌日から、次に掲げる日までの期間をいうのであるから留意する。 (平18徴管5-14追加)
(1)  物納申請に係る相続税額の全部又は一部についてその許可(物納許可があったものとみなされる場合を含む。)をした場合  物納許可に係る納付があったものとされる日
(2)  物納申請に係る相続税額の全部又は一部についてその却下をした場合  物納却下があった日
(3)  物納申請に係る相続税額の全部又は一部についてみなす取下げ又は取下げがあった場合  みなす取下げ又は取下げがあった日


43条《物納財産の収納価額等》関係

(「収納の時の現況により当該財産の収納価額を定める」の意義等)

4 3−1 法第43条第1項ただし書に規定する「収納の時の現況により当該財産の収納価額を定める」とは、その現況に著しい変化を生じた財産が、収納の時の状態で相続若しくは遺贈又は贈与によって取得した時にあったものとして、その取得した時における価額によって当該収納価額を定めるという趣旨であるから留意する。
  なお、「当該財産の状況に著しい変化を生じた」かどうかの判定は、原則として、許可の時における物納財産の現況によることとする。(平7課資2−119・徴管5−5改正)

(許可後の財産の状況の変化)

4 3−2 物納の許可を通知した後であっても、当該許可に係る物納財産の引渡し、所有権移転の登記その他法令により第三者に対抗することのできる要件を充足するまでの間において、納税義務者の責めに帰すべき事由により当該財産の状況に著しい変化を生じたときは、法第43条第1項ただし書の規定を適用することができるのであるから留意する。(平7課資2−119・徴管5−5改正)


(「収納の時までに当該財産の状況に著しい変化を生じたとき」の意義)

4 3−3 法第43条第1項ただし書に規定する「収納の時までに当該財産の状況に著しい変化を生じたとき」とは、例えば、次に掲げるような場合をいうものとする。(昭57直資2−177、平7課資2−119・徴管5−5改正)
(1)  土地の地目変換があった場合(地目変換があったかどうかは土地台帳面の地目のいかんにかかわらない。)
(2)   荒地となった場合
(3)  竹木の植付け又は伐採をした場合
(4)  所有権以外の物権又は借地権の設定、変更又は消滅があった場合
(5)  家屋の損壊(単なる日時の経過によるものは含まない。)又は増築があった場合
(6)  自家用家屋が貸家となった場合
(7)  引き続き居住の用に供する土地又は家屋を物納する場合
(8)  震災、風水害、落雷、火災その他天災により法人の財産が甚大な被害を受けたことその他の事由により当該法人の株式又は出資証券の価額が評価額より著しく低下したような場合
(注)  証券取引所に上場されている株式の価額が証券市場の推移による経済界の一般的事由に基づき低落したような場合には、この「その他の事由」に該当しないものとして取り扱うことに留意する。
(9)  相続開始の時において清算中の法人又は相続開始後解散した法人がその財産の一部を株主又は出資者に分配した場合(この場合において、当該法人の株式又は出資証券については、課税価格計算の基礎となった評価額からその分配した金額を控除した金額を収納価額として物納に充てることができる。)
(10)  (1)から(9)まで掲げる場合のほか、その財産の使用、収益又は処分について制限が付けられた場合

(分割不動産の収納価額)

4 3−4 相続財産である不動産を分割し、分割不動産について物納を許可する場合における法第43条第1項に規定する収納価額は、原則として、次の算式により計算した金額によるものとする。(平7課資2−119・徴管5−5追加)
=分割不動産の収納価額
A+B
(注)   算式中の符号は、次のとおりである。
  Kは、分割前の課税価格計算の基礎となった価額
  Aは、分割不動産について、相続開始時の評価基本通達の定めにより評価した価額
  Bは、分割前の不動産のうち、分割不動産部分以外の不動産について、相続開始時の評価基本通達の定めにより評価した価額

(物納許可額等の訂正)

4 3−5 課税価格の更正により物納に充てた財産の価額に異動を生じたときは、異動後の価額により物納許可額を修正するのであるから留意する。

(収納価額の特例)

4 3−6 法第41条第2項に規定する「当該財産により取得した財産」による物納の申請があった場合における当該財産の収納価額は、法第43条第1項ただし書の規定に準じて定めるものとする。

(株式及び出資証券の収納価額の特例)

4 3−7 41−7の(1)から(3)までに掲げる株式又は出資証券(以下43−7においてこれらを「株式」という。)についての1株又は1口(以下43−7においてこれらを「1株」という。)当たりの収納価額は、次に掲げる方法によって計算した金額によるものとする。
  なお、物納申請に係る株式について相続開始後収納の時までに増資新株の割当てがあった場合における旧株式の1株当たりの収納価額についても、(3)に掲げる方法によって計算した金額によるものとする。(昭50直資2−257、昭57直資2−177、平2直資2−136、平4課資2−158・徴管5−6、平7課資2−119・徴管5−5、平18徴管5-14改正)
(1)  合併により株式だけの交付があったとき
被合併法人の株式1株当たりの相続税評価額
被合併法人の株式1株当たりの交付株式数
(2)  合併により株式と金銭との交付があったとき
被合併法人の株式1株
当たりの相続税評価額
1株当たりの
合併交付金額
被合併法人の株式1株当たりの交付株式数
(3)  増資があったとき

 旧株式の相続税評価額が「評価基本通達」の188−2本文以外の定めにより算出されている場合
旧株式1株当たり
の相続税評価額
新株式1株当た
りの払込金額
× 旧株式1株当た
りの新株割当数
1+旧株式1株当たりの新株割当数

 旧株式の相続税評価額が評価基本通達の188−2本文の定めにより算出されている場合
 次の(イ)又は(ロ)のうちいずれか低い額に相当する金額
(イ)  旧株式1株当たりの相続税評価額
(ロ)
旧株式を評価基本通達の179の例により評価した1株当たりの相続税評価額 新株式1株当たりの払込金額 × 旧株式1株当たりの新株割当数
1+旧株式1株当たりの新株割当数


(公用又は公共の用に供されることが確実と見込まれる財産による還付)

4 3−8 法第43条第3項ただし書に規定する「公用若しくは公共の用に……供されることが確実と見込まれる」とは、例えば、物納不動産について法令等の手続を経て国の事業又は道路若しくは公園など土地収用法(昭和26年法律第219号)に列記するような公共の利益となる事業の用に供されることが確実と見込まれるものをいい、必ずしも契約締結時の事務的な手続を必要としないのであるから留意する。(平7課資2−119・徴管5−5追加、平18徴管5-14改正)




44条《物納申請の全部又は一部の却下に係る延納》関係


(却下の日の翌日から起算して20日以内の意義)

4 4−1 法第44条第1項又は法第45条第1項に規定する「却下の日の翌日から起算して二十日以内」の期間の計算に当たっては、申請者が物納申請の却下通知を受け取った日の翌日から起算して当該期間を計算するのであるから留意する。(平18徴管5-14追加)

45条《物納申請の却下に係る再申請》関係


(再申請の回数(1財産について1回限り))

4 5−1 物納申請の却下に係る再申請は、同法第41条第1項の規定による申請があった場合の当該申請に係る物納申請財産が管理処分不適格財産又は物納劣後財産に該当することから、当該申請が却下された場合に認められるものであり(1財産について1回限り)、法第45条第1項により再申請された財産が却下された場合には適用がないのであるから留意する。(平18徴管5-14追加)



46条《物納の撤回》関係


(公用又は公共の用に供されることが確実と見込まれる財産による還付及び物納の撤回)

4 6−1 法第46条第1項ただし書に規定する「公用若しくは公共の用に……供されることが確実と見込まれる」については、43−8の取扱いに準ずる。(平18徴管5-14追加)


(相続税額を超える価額の財産による物納が許可された場合に還付された金銭の返納)

4 6−2 物納の撤回を承認する場合において、撤回を求めようとする不動産の物納を許可した際に、当該財産の収納価額と相続税額の差額相当額を金銭で還付していたときには、法第46条第10項に規定する「当該撤回に係る相続税のうちに金銭で一時に納付すべき相続税」の額の通知に併せて当該還付された金銭の返納を求めるものとする。(平18徴管5-14追加)

48条の2《特定の延納税額に係る物納》関係

(「特定物納対象税額」の範囲)

4 8の2―1 法第48条の2第1項に規定する「特定物納対象税額」には、利子税等の附帯税の額は含まれないのであるから留意する。(平18徴管5-14追加)

(延納担保物件が特定物納申請財産として申請された場合の取扱い)

4 8の2―2 特定物納に充てようとする財産が、特定物納の許可を受けようとする延納税額の担保となっている場合には、当該財産について他の私債権の担保権の目的となっていない場合に限り、法施行規則第21条第1項第1号の不動産に該当しないものとして取り扱うことに留意する。
  ただし、特定物納の許可によっても被担保債権の全額が納付済みとならず担保権の抹消が行えない場合には、この限りでないのであるから留意する。(平18徴管5-14追加)

(「物納財産ごと」の意義)

4 8の2―3 法第48条の2第3項に規定する「物納財産ごとに当該申請に係る物納の許可をし、又は当該申請の却下をする。」については、42−5の取扱いに準ずる。(平18徴管5-14追加)

(特定物納の却下又は取下げ)

4 8の2―4 法第48条の2第3項の規定により特定物納の申請が却下された場合、同条第6項において準用する第42条第10項の規定により申請を取り下げたものとみなされた場合又は自ら申請を取り下げた場合は、特定物納の申請前に許可を受けた延納の条件(同条第4項に規定する分納税額の納期限の延長を除く。)が継続することに留意する。(平18徴管5-14追加)

(特定物納に係る財産の収納価額)

4 8の2―5 法第48条の2第5項に規定する「申請の時の価額」とは、特定物納申請財産について、当該特定物納の申請書が提出された時の財産の状況により、財産評価基本通達を適用して求めた価額をいうのであるから留意する。
 なお、次の場合にはそれぞれに掲げる価額をもって当該財産の価額として取り扱うのであるから留意する。 (平18徴管5-14追加)
1  土地(路線価方式による評価を行うもの)
 その年分に適用する路線価が公開されるまでの期間・・・前年の路線価を用いて評価した価額に時点修正指数を乗じた価額
(注) 時点修正指数とは、前年末から申請時までの地価の変動率をいい、その年分の地価公示における物納申請された土地の近傍の標準地の地価の変動率を用いることとして差し支えないものとする。
2  土地(倍率方式による評価を行うもの)
  その年分に適用する倍率が公開されるまでの期間・・・前年の固定資産税評価額及び倍率を用いて評価した価額に時点修正指数を乗じた価額
3  取引相場のない株式(純資産価額方式による評価を行うもの)
  その年分に適用する路線価又は倍率が公示されるまでの期間・・・1又は2による土地の価額に基づき計算された取引相場のない株式の価額

(当該財産の状況に著しい変化が生じたとき)

4 8の2―6 法第48条の2第5項に規定する「収納の時までに当該財産の状況に著しい変化が生じたとき」については、43−3の取扱いに準ずる。(平18徴管5-14追加)


(「収納のときの現況により当該財産の収納価額を定める」の意義)

4 8の2―7 法第48条の2第5項に規定する「収納の時の現況により当該財産の収納価額を定める」とは、その状況に著しい変化を生じた財産が、収納の時の状態で特定物納の申請をした時にあったものとして、その特定物納を申請した時における価額によって当該収納価額を定めるという趣旨であるから留意する。
 なお、「当該財産の状況に著しい変化を生じた」かどうかの判定は、原則として、許可の時における物納財産の現況によるのであるから留意する。(平18徴管5-14追加)

(特定物納における物納手続関係書類の提出時期等)

4 8の2―8 法第48条の2第2項の規定により特定物納申請書に添付して提出することとされている物納手続関係書類については、当該提出期限の延長はできないのであるから留意する。(平18徴管5-14追加)
2  法第48条の2第6項の規定により準用する法第42条第8項から第10項までの規定により、提出があった物納手続関係書類についてその記載に不備があること又はその提出がないことについて同条第9項による補完通知により、物納手続関係書類の訂正又は提出を求められた場合には、当該補完に係る期限の延長はできないことから、当該補完通知を受けた日の翌日から起算して20日以内に当該物納手続関係書類の訂正又は提出を行わない場合は、当該特定物納申請は取り下げられたものとみなされるのであるから留意する。(平18徴管5-14追加)



48条の3《延納又は物納に関する事務の引継ぎ》関係


(延納又は物納に関する事務の引継ぎ)

4 8の3―1 法第48条の3に規定する「延納又は物納に関する事務の引継ぎ」を行う場合における通則法第43条第3項にいう「必要があると認めるとき」とは、例えば、納税義務者の延納又は物納の申請に係る相続税額が多額であるとき、物納申請に係る財産が納税地の管轄区域外に所在するときその他国税局長が必要があると認めるときをいうものとする。(平18徴管5-14追加)

延納関係通達

38条《延納の要件》関係

(相続税額が10万円を超えるかどうかの判定)

3 8−1 法第38条第1項に規定する「納付すべき相続税額が10万円を超え」るかどうかは、期限内申告書、期限後申告書又はこれらの申告書に係る修正申告書により申告された相続税額若しくは更正又は決定により納付すべき相続税額のそれぞれについて各別に判定するのであるから留意する。
 また、同条第3項に規定する「納付すべき贈与税額が10万円を超え」るかどうかの判定についても、これに準ずるのであるから留意する。(昭46直審(資)6、昭50直資2−257、昭57直資2−177、平元直資2−207、平4課資2−158・徴管5−6、平18徴管5-14改正)


(延納の許可限度額の計算)

3 8−2 法施行令第12条に規定する延納の許可限度額の算出方法を算式で示せば、次のとおりである。(平4課資2−158・徴管5−6追加、平18徴管5-14改正)
A−{(B+C+D)−([E×3]+F)}
(注) 算式中の符号は次のとおりである。
Aは、法施行令第十二条第1項第1号に掲げる額
Bは、納税義務者がAに係る納期限又は納付すべき日において有する現金の額。
なお、ここにいう現金とは、強制通用力を有する日本円を単位とする通貨のほか、証券ヲ以テスル歳入納付ニ関スル法律(大正5年法律第10号)により国税の納付に充てることのできる証券を含むものとする。
Cは、納税義務者がAに係る納期限又は納付すべき日において有する預貯金の額。
なお、ここにいう預貯金とは、法第10条第1項第4号に規定する金融機関等に対する預金、貯金、積金、寄託金又は貯蓄金をいう。
Dは、納税義務者がAに係る納期限又は納付すべき日において有する換価の容易な財産の価額。
なお、ここにいう換価の容易な財産とは、次のような財産をいう。
・ 評価が容易であり、かつ、市場性のある財産で速やかに売却等の処分をすることができるもの
・ 納期限又は納付すべき日において確実に取り立てることができると認められる債権
・ 積立金・保険等の金融資産で容易に契約が解除でき、かつ、解約等による負担が少ないもの
おって、許可限度額の計算に当たっては、納期限又は納付すべき日における当該財産の時価(又は債権額)相当額により行うものとする。
Eは、生活のため通常必要とされる1月分の費用。
なお、生活のため通常必要とされる1月分の費用とは、次の1の額から2の額を控除した額とする。
1 国税徴収法(昭和三十四年法律第一四七号)第76条第1項第1号から第4号までの規定に基づき算出される金額相当額(前年の収入金額、所得税、地方税及び社会保険料の額に1/12を乗じた額に基づき計算するものとする。なお、申請者が給与所得者でない場合は、その事業等に係る収入金額等を給与等とみなして計算するものとする。)に治療費、養育費、教育費並びに申請者及び申請者と生計を一にする配偶者その他の親族の資力・職業・社会的地位等の個別事情を勘案して社会通念上適当と認められる範囲の金額を加味した額
2 申請者と生計を一にしている収入のある配偶者及び申請者(配偶者を含む。)の扶養控除の対象とならない親族に係る生活費の額並びに申請者(配偶者を含む。)の扶養控除の対象となる親族に係る生活費の額のうち配偶者が負担する額
(注)  1の額に申請者及び申請者と生計を一にする配偶者その他の親族の1月分収入額の合計額に占める申請者の1月分収入額の割合を乗じた額を用いて差し支えない。
Fは、事業の継続のために当面必要な運転資金の額。
なお、事業の継続のために当面必要な運転資金の額とは、事業の内容に応じた事業資金の循環期間の中で事業経費の支払や手形等の決済のための資金繰りが最も窮屈になる日のために留保を必要とする資金の額をいい、Aに係る納期限又は納付すべき日の翌日から資金繰りの最も窮屈になると見込まれる日までの期間の総支出見込金額から総収入見込金額を差引いた額(前年同時期の事業の実績を踏まえて推計した額による。)とする。
(注)  前年の申告所得税の確定申告等に係る収支内訳書等から求めた1年間の事業に係る経費の中から、臨時的な支出項目及び減価償却費を除いた額を基礎とし、最近の事業の実績に変動がある場合には、その実績を踏まえて算出した額を加味した額に1/12(商品の回転期間が長期にわたること等の場合は事業の実態に応じた月数/12月)を乗じた額を用いて差し支えない。


(相続又は遺贈により取得した財産に含める贈与財産)

3 8−3 法第19条の規定により相続税の課税価格に加算される贈与財産で法第21条の2第4項の規定の適用があるもののうちに不動産、立木等法施行令第13条に規定する財産がある場合においては、当該財産は、法第38条第1項に規定する「相続又は遺贈により取得した財産」に含むのであるから留意する。
 また、相続開始の年において、特定贈与者である被相続人からの贈与により取得した相続時精算課税の適用を受ける財産のうちに不動産、立木等法施行令第13条に規定する財産がある場合についても、これに準ずるのであるから留意する。 (昭46直審(資)6、昭50直資2−257、平4課資2−158・徴管5−6改正、平15課資2−1・徴管5−7、平18徴管5-14改正)

(たな卸資産である不動産)

3 8−4 法第38条に規定する「不動産」には、たな卸資産である不動産を含むのであるから留意する。(昭57直資2−177追加、平4課資2−158・徴管5−6、平18徴管5-14改正)

(連帯納付義務者の延納等)

3 8−5 法第38条の相続税及び贈与税の延納の規定は、連帯納付の責めに任ずる者のその責めに任ずべき金額については適用がないのであるから留意する。
  また、期限後申告又は修正申告若しくは更正又は決定により納付すべき相続税額に併せて納付すべき延滞税又は加算税についても適用がないのであるから留意する。(平4課資2−158・徴管5−6、平7課資2−119・徴管5−5改正)

(延納期間の計算)

3 8−6 法第38条第1項又は第3項の規定による延納期間は、法第33条又は通則法第35条第2項に規定する納期限の翌日から暦に従って計算するのであるから留意する。(昭46直審(資)6、平18徴管5-14改正)


(不動産等の価額の計算)

3 8−7 法第38条第1項前段のかっこ書の規定により、延納期間を延長することができる場合の「不動産等の価額」を計算するに当たり、法施行令第13条の「事業用の減価償却資産」とは、被相続人の事業の用に供されていた所得税法第2条第1項第19号に規定する減価償却資産をいうのであるから留意する。(平7課資2−119・徴管5−5追加、平18徴管5-14改正)

(不動産等の割合を計算する場合の端数処理)

3 8−8 法第38条第1項に規定する「課税相続財産の価額」及び「不動産等の価額」並びに「不動産等の価額が占める割合」を計算するに当たり、当該価額及び割合の端数処理は次により行うのであるから留意する。(平7課資2−119・徴管5−5追加、平8課資2−116・徴管5−6、平18徴管5-14改正)
(1)  不動産等の価額の占める割合が10分の5以上であるか否かについては、端数処理を行わずに判定する。
(2)  (1)により判定した結果、不動産等の価額の占める割合が10分の5以上である場合において、同項前段のかっこ書の規定を適用するときには、次により端数処理を行う。
 それぞれの価額に1,000円未満の端数がある場合には、それぞれその端数を切り捨てる。
 割合については、小数点以下第3位未満の端数があるときは、その端数を切り上げて計算する。
(注)  課税相続財産の価額のうちに、措置法第70条の8又は第70条の10の適用を受ける価額がある場合、これに準じて端数処理を行うのであるから留意する。

(代償分割が行われた場合の不動産等の割合の計算)

3 8−9 代償分割の方法により相続財産の全部又は一部の分割が行われた場合における法第38条第1項に規定する「不動産等の価額が占める割合」の計算は、次に掲げる者の区分に応じ、それぞれ次に掲げるところによるものとする。(平7課資2−119・徴管5−5追加)
(1)  代償財産の交付を受けた者 相続又は遺贈により取得した現物の財産の価額と交付を受けた代償財産の価額との合計額をもって計算する。
(2)  代償財産の交付をした者 相続又は遺贈により取得した財産中、代償分割の対象とならなかった財産の価額と代償分割の対象となった財産の価額から代償財産の価額に相当する金額をそれぞれの種類ごとに控除して計算した価額との合計額をもって計算する。この場合、当該代償分割が包括的に行われた場合には、その代償財産の価額は、代償分割の対象となった財産の価額によってあん分して計算した額による。

(贈与税の延納期間)

3 8−10 贈与税の延納期間は、納税義務者の申請に基づき、その者の事業の継続又は生活の状況等を考慮し、5年の範囲内で適当と認められる期間を定めるものとする。


(贈与税の延納年割額)

3 8−11 法第38条第2項の延納年割額に関する規定は、贈与税の年賦延納については適用がないのであるから留意する。

39条《延納手続》関係

(延納の申請期限)

3 9−1 相続税又は贈与税の延納申請書は、延納を求めようとする相続税又は贈与税の納期限までに又は納付すべき日に提出しなければならないのであるが、この場合の提出期限は具体的には次に掲げる期限又は日となるのであるから留意する。(昭46直審(資)6、昭57直資2−177、平18徴管5-14改正)
(1)  期限内申告書又は法第31条第2項の規定による修正申告書の提出により法第33条の規定により納付する相続税額又は贈与税額  これらの申告書の提出期限
(2)  期限後申告書又は修正申告書(法第31条第2項の規定による修正申告書を除く。)の提出により通則法第35条第2項第1号の規定により納付する相続税額又は贈与税額 これらの申告書の提出の日
(3)  更正又は決定により通則法第35条第2項第2号の規定により納付する相続税額又は贈与税額 その更正通知書又は決定通知書が発せられた日の翌日から起算して1月を経過する日


(取引相場のない株式の延納担保)

3 9−2 相続若しくは遺贈又は贈与により取得した取引相場のない株式を担保とした延納申請があった場合において、次のいずれかに該当する事由があるときは、当該株式を延納の担保として認めることができる。(平4課資2−158・徴管5−6追加)
(1)  相続若しくは遺贈又は贈与により取得した財産のほとんどが取引相場のない株式であり、かつ、当該株式以外に延納の担保として提供すべき適当な財産がないと認められること。
(2)  取引相場のない株式以外に財産があるが、当該財産が他の債務の担保となっており、延納の担保として提供することが適当でないと認められること。

(許可前納付があった場合の延納の許可)

3 9−3 延納の許可に当たり、既にその申請に係る分納税額として納付された額がある場合には、その納付額相当額を含めて延納を許可するものとする。
 この場合、その納付された額についても、利子税を徴収することとなることに留意する。(昭46直審(資)6、平4課資2−158・徴管5−6、平7課資2−119・徴管5−5改正)

(分納税額の納期限を経過した後に延納する場合の取扱い)

3 9−4 延納申請に係る相続税の分納税額の全部又は一部について当該申請に係る分納税額の納期限を経過した後に延納を許可する場合においては、原則として、当該申請どおり許可し、当該許可をした延納税額のうち既に分納税額の納期限が経過しているものについては当該許可の日から1月以内の日をその分納税額の納期限とするものとする。(平4課資2−158・徴管5−6、平7課資2−119・徴管5−5改正)

(物納申請の却下等がされた後に延納する場合の取扱い)

3 9−5 相続税額の一部について延納申請がなされ、他の一部につき物納申請税額又は納税猶予税額(措置法第70条の6第1項に規定する納税猶予分の相続税の額をいう。以下同じ。)がある場合において、当該延納申請を許可する時までに、1物納申請が却下又は取り下げられているとき若しくは取り下げられたとみなされているとき、2納税猶予が認められないこととなっているときは、法第38条第1項の延納を許可することができる期間及び第2項の延納年割額の計算に当たっては、これらの物納申請又は納税猶予はなかったものとして計算したところにより、延納を許可するものとする。
 また、同条第3項に規定する贈与税額の一部について延納申請がなされ、他の一部につき措置法第70条の4第1項に規定する納税猶予を受けようとする贈与税額がある場合についても、これに準ずるものとする。(平7課資2−119・徴管5−5追加、平15課資2−1・徴管5−7、平18徴管5-14改正)

(担保が適当でないと認めるとき)

3 9−6 法第39条第2項ただし書きにおける「担保が適当でないと認めるとき」には、担保として提供された財産の価額が延納税額(利子税を含む。)に不足すると認められるため、追加の担保の提供を求める場合を含むのであるから留意する。(平18徴管5-14追加)

(担保提供関係書類提出期限延長届出書等の提出時期)

3 9−7 担保提供関係書類を法第39条第7項の担保提供関係書類提出期限までに提出することができないため、同条第8項により読み替えて同条第6項を適用する場合の担保提供関係書類提出期限延長届出書は、同条第7項の担保提供関係書類の提出期限までに提出するのであるから留意する。(平18徴管5-14追加)
2  担保提供関係書類を法第39条第14項の担保提供関係書類補完期限までに提出することができないため、同条第15項により読み替えて同条第13項を適用する場合の担保提供関係書類補完期限延長届出書は、同条第14項の担保関係書類の補完期限までに提出するのであるから留意する。(平18徴管5-14追加)
3  担保提供関係書類を法第39条第19項の変更担保提供関係書類提出期限までに提出することができないため、同条第20項により読み替えて同条第18項を適用する場合の変更担保提供関係書類提出期限延長届出書は、同条第19項の担保関係書類の提出期限までに提出するのであるから留意する。(平18徴管5-14追加)


(延長された提出期限までに担保提供関係書類の提出等がない場合)

3 9−8 法第39条第7項(同条第8項により読み替えて適用する場合を含む。)の規定により延長された担保提供関係書類の提出期限までに、当該申請者が担保提供関係書類の提出をしなかったときは、法第39条第2項の規定により延納の申請を却下するのであるから留意する。(平18徴管5-14追加)

(延長された補完期限までに担保提供関係書類の訂正等がない場合)

3 9−9 法第39条第14項(同条第15項により読み替えて適用する場合を含む。)の規定により延長された担保提供関係書類の補完期限までに、当該申請者が担保提供関係書類の訂正又は提出をしなかったときは、法第39条第2項の規定により延納の申請を却下するのであるから留意する。(平18徴管5-14追加)

(延長された変更期限までに変更担保提供関係書類の提出等がない場合)

3 9−10 法第39条第19項(同条第20項により読み替えて適用する場合を含む。)の規定により延長された変更担保提供関係書類の提出期限までに、当該申請者が変更担保提供関係書類の提出をしなかったときは、法第39条第2項の規定により延納の申請を却下するのであるから留意する。(平18徴管5-14追加)

(調査に3月を超える期間を要すると認めるとき)

3 9−11 法第39条第22項に規定する「当該調査に三月を超える期間を要すると認めるとき」とは、次のようなものをいうのであるから留意する。(平18徴管5-14追加)
1 担保財産が多数ある場合
2 担保財産が遠隔地にある場合
3 非上場株式や保証人の保証など担保財産の評価に相当の期間を要する場合
4 自然災害等により担保財産の確認等が困難な場合

(延納の許可があったものとみなされた場合の担保権の設定手続き等)

3 9−12 法第39条第25項の規定により、延納の許可があったものとみなされた場合において、申請者が当該許可に係る担保権の設定に必要な手続を了しているときは速やかに担保権の設定を行うのであるから留意する。
  なお、延納申請書に記載された担保に係る担保提供関係書類が提出されていない場合には、申請者にその提出を求め、当該担保提供関係書類の提出が行われない場合には、法第40条第2項の規定によりあらかじめその申請者から弁明を聴いた上で当該延納許可を取り消すことができるのであるから留意する。(平18徴管5-14追加)


(「当該申請に係る条件」の意義)

3 9−13 法第39条第25項の規定により、延納の許可があったものとみなされた場合の、当該申請に係る条件とは、延納申請書に記載された延納期間、分納期限及び分納税額(不動産対応部分と動産等対応部分に区分した各税額)をいい、これらが法第38条の規定によっていなかった場合であっても当該申請書に記載された条件により許可したものとしてみなされるのであるから留意する。(平18徴管5-14追加)

(延納条件の変更の範囲)

3 9−14 法第39条第27項の規定は、延納の許可を受けた者が、延納の許可後資力の状況の変化等により許可に係る延納の条件ではその履行が困難である場合などにおいて、分納期限が到来していない分納税額について延納の条件の変更を求めることができるという趣旨であるから留意する。
 ただし、分納期限が経過しても分納税額の履行がない場合で、その不履行が一時的な資金繰りの悪化によるものであるときは、当該延納の許可を受けた者の弁明を聴いた上で、当該分納期限経過後おおむね2月以内に、延納の条件を変更しても差し支えないものとする。
 なお、延納の条件を変更する範囲は次のとおりである。(平7課資2−119 ・徴管5−5追加、平18徴管5-14改正)
(1)  分納期限の延長 分納期限を延長する変更については、次回の分納期限(当初の延納の許可に係る分納期限)の前日までを限度とする。
(2)  分納期限の再延長 分納期限を延長した後においても、当該延長に係る延納の条件の変更事由が継続するなどやむを得ない事情が存する場合には、当該延長後の分納期限について、次回の分納期限(最初の延長に係る分納期限)の前日まで延長(再延長)しても差し支えない。
(注) 分納期限の延長、再延長について図示すると次のとおりである。
 
(3)  延納期間の延長 延納の申請に基づいて許可された延納期間(年数)については、当該申請者について申請当時法律上延長できることとされている期間(年数)まで延長できるものとする。
(4)  延長できる最終の分納期限 (1)から(3)により延長できる最終の分納期限は、当該延納の許可を受けた者について法律上延納できることとされている最終納期限を限度とする。

(延納条件の変更と担保)

3 9−15 法第39条第27項の規定により延納の条件を変更する場合において、提供されている担保物の価額が条件変更後の延納税額を担保するのに不十分であると認められるときは、通則法第51条第1項(担保の変更等)の規定による増担保の提供等の命令を行うものであるから留意する。(平7課資2−119・徴管5−5追加、平18徴管5-14改正)

(延納期間の短縮等)

3 9−16 法第39条第29項の規定は、税務署長が延納の許可を受けた者から資力の状況の変化等について弁明を聴いた上で、その弁明に係る事情を考慮して、延納許可の取消し又は延納条件の変更の処分をする必要があると認める場合においてだけ当該処分をすることができるという趣旨であるから留意する。
  なお、延納の許可を受けた者に対して期限を定めて弁明を求めた場合において、当該期限までに正当な理由がなく弁明をしないときは、弁明を聴くことなく当該処分をするものとする。(昭57直資2−177、平4課資2−158・徴管5−6、平18徴管5-14改正)

(弁明の方法)

3 9−17 法第39条第29項に規定する「弁明」の方法は、口頭又は書面のいずれによるも差し支えないものとするが、口頭による場合においては後日の紛争を避ける等のため、聴取書を作成する等その事績を明らかにしておくものとする。(平4課資2−158・徴管5−6、平18徴管5-14改正)

40条《延納申請に係る徴収猶予等》関係

(徴収を猶予する期間)

4 0−1 法第40条第1項の規定により徴収を猶予する期間は、当該申請に係る相続税額又は贈与税額の法第33条又は通則法第35条第2項に規定する納期限の翌日から、次に掲げる日までの期間をいうのであるから留意する。(平18徴管5-14追加)
(1) 延納申請に係る相続税額又は贈与税額の全部又は一部についてその許可をした場合  延納許可の日(延納許可があったものとみなされる日)
(2) 延納申請に係る相続税額又は贈与税額の全部又は一部についてその却下をした場合   延納却下があった日
(3) 延納申請に係る相続税額又は贈与税額の全部又は一部についてみなす取下げ又は取下げがあった場合  みなす取下げ又は取下げがあった日

(弁明の方法の準用)

4 0−2 法第40条第2項に規定する「弁明」については、39―16のなお書及び39―17の取扱いに準ずるものとする。(昭57直資2−177、平4課資2−158・徴管5−6、平7課資2−119・徴管5−5、平18徴管5-14改正)

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